はさき漁協
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■ いばらきの旬のさかな >> 夏 ・ かつお

「目に青葉 やまほととぎす 初鰹」

 ・・・の句はあまりにも有名です。鎌倉の海から夜駆けで江戸に運ばれた初鰹は、「まな板に 小判1枚 初鰹」と詠まれるほど高価でした。このように関東近海で5〜6月にとれるかつおは、さわやかな新緑の季節の訪れとともに「初がつお」として古くから珍重されてきました。
 そのあとかつおはさらに北上を続けます。そして本当においしい季節を迎えます。晩夏から初秋にかけて、北の海で餌をたっぷりとったかつおは、産卵のために南の海に戻りはじめます。この「戻りがつお」は、成熟した魚体に脂がのり、身がしまって最高の味となります。


[ 形と生活 ]

 世界中の暖海に広く分布し、日本近海では、三月頃の九州南部に始まり、黒潮に乗って四国、紀伊半島を北上し、夏には三陸沖に達し、また逆のコースを戻っていく往復2,500キロ以上の大旅行をしています。
 体型はよく整った典型的な紡錘系で、丸みが強く太いです。うろこは体のごく一部にしかありません。市販されてるのは、40センチから50センチのものが多いのですが、最大は90センチにもなります。
 常磐沖は、夏をはさんで初がつおから戻りがつおまで長い期間にわたって新鮮なかつおを味わえる貴重な地域であります。


[ 漁業の状況 ]

 かつおの漁法で有名なのが「かつお一本釣り」です。かたくちいわしなどの生き餌をまいて、船側にかつおの群を誘い、乗組員がいっせいに竿をおろして釣り上げる方法です。
 かつおが狂ったように餌を追う短時間が勝負の勇壮な漁法であります。 かつおの群れが餌となる魚を追うと、追われた魚を狙って鳥が集まります。これは鳥付きと呼ばれて群を見つける目安のひとつです。水色、水温などの情報を組み合わせ、漁師たちは厳しい目で海原を見つめ、魚群を探すのです。
 その昔は来遊するのを待って獲ったかつおですが、最近は、大型のかつおまぐろ漁船が遠洋で盛んに漁獲し、超低温で冷凍して水揚げしており、かつてのような季節感は薄らいでしまいました。


[ 目利き ]

 鮮度の落ちやすい魚なので、刺身で利用する場合は、特に鮮度に注意します。えらが鮮やかな赤紅色をしているもの、腹を指で押すと跳ね返るような弾力のあるものを選びます。水揚げされたかつおは、腹部に数本の縞模様が走っていますが、生きているときはこの縞はあまり目立たず、背の鮮やかな青紫色の模様が見られます。腹部が銀色に輝き、背の後方に鮮やかな青紫色の模様がはっきりしているものは、鮮度が良い証拠です。
 また、尾のあたりを逆さになでてざらざらした感じのするものを選ぶのも良い方法です。 また、かつおは大きいほうがいいです。小さいかつおは脂もなく色も悪いのです。小さいかつおを半身で求めるなら、大きいかつおを四半身で求めた方がよいのです。
 よく魚の鮮度を目が澄んでいるかで判断しますが、かつおの場合には、運搬の際に塩が強いと、鮮度が良くても目が白く濁ってしまうことがあるので、頭に入れておきましょう。
  [ 味わいと栄養 ]

 かつおの身は、空気が触れるとたちまち変色するので、食べる直前に調理した方が良いのです。刺身で味わうのが一般的で、表面をさっとあぶり焼きしたたたきは、土佐の名物料理ですが、これは脂ののっていない初夏のかつおをおいしく食べる工夫です。
 かつおは、鰹節に利用されるように、エキス部分に富む魚のひとつで、旨味はイノシシ酸のヒスチジン塩です。ビタミン類、特に、B郡とD郡に富んでいます。特に、血合いは栄養満点です。血合いは食べない人も多いのですが、栄養の点からは血合いは食べた方がいいのです。血合いには脂質やタンパク質に富み、ビタミンAやDやB2やB12、ミネラルなどが多量に含まれています。
 刺身やたたきをサラダ風に仕立てると、また違った楽しみかたができます。そのほか、生利節、塩辛などの加工品もなじみ深いです。



はさき漁業協同組合