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介護職員初任者研修~科目別シラバス~

介護職員初任者研修における目標、評価の指針

(1) 介護職員初任者研修を通した到達目標

  1. ①基本的な介護を実践するために最低限必要な知識・技術を理解できる。
  2. ②介護の実践については、正しい知識とアセスメント結果に基づく適切な介護技術の適用が必要あることを理解できる。
  3. ③自立の助長と重度化防止・遅延化のために、介護を必要とする人の潜在能力を引き出し、活用・発揮させるという視点が大切であることを理解できる。
  4. ④利用者ができるだけなじみのある環境で日常的な生活を送れるようにするために、利用者一人ひとりに対する生活状況の的確な把握が必要であることを理解できる。
  5. ⑤他者の生活観及び生活の営み方への共感、相手の立場に立って考えるという姿勢を持つことの大切さについて理解できる。
  6. ⑥自立支援に資するサービスを多職種と協働して総合的、計画的に提供できる能力を身につけることが、自らの将来の到達目標であることを理解できる。
  7. ⑦利用者本位のサービスを提供するために、チームアプローチの重要性とその一員として業務に従事する際の役割、責務等を理解できる。
  8. ⑧利用者、家族、多職種との円滑なコミュニケーションのとり方の基本を理解できる。
  9. ⑨的確な記録・記述の大切さを理解できる。
  10. ⑩人権擁護の視点、職業倫理の基本を理解できる。
  11. ⑪介護に関する社会保障の制度、施策、サービス利用の流れについての概要を理解できる。

(2) 各科目の到達目標・評価の基準の説明

  1. ①「ねらい(到達目標)」
    「ねらい(到達目標)」は、各科目が、実務においてどのような行動ができる介護職員を養成しようとするのかを定義したものである。
    介護職員初任者研修修了時点でただちにできることは困難だが、介護職員初任者研修事業者は、修了後一定の実務後にこの水準に到達する基礎を形成することを目標に、研修内容を企画する。
  2. ②「修了時の評価ポイント」
    「修了時の評価ポイント」とは、介護職員初任者研修において実施する受講者の習得状況の評価において、最低限理解・習得すべき事項を定義したものである。

  3. 介護職員初任者研修事業者は受講生が修了時にこの水準に到達できていることを確認する必要ある。
    「修了時の評価ポイント」は評価内容に応じて下記のような表記となっている。
     
  4. ア 知識として知っていることを確認するもの。知識として知っているレベル。
  5. 【表記】
    ・「列挙できる」(知っているレベル)
    ・「概説できる」(だいたいのところを説明できるレベル)
    ・「説明できる」(具体的に説明できるレベル)
    筆記試験や口答試験により、知識を確認する。
     
  6. イ 技術の習得を確認するもの。実技演習で行った程度の技術を習得しているレベル。
  7. 【表記】
    ・「~できる」「実施できる」
    教室での実技を行い確認する。

各科目の到達目標、評価、内容

  • 各科目については、講義と演習を一体的に実施すること
  • 「9 こころとからだのしくみと生活支援技術」は、介護に必要な基礎的知識の理解の確認と、生活支援技術の習得状況の確認を含む。
  • 下記とは別に、筆記試験による修了評価(1時間以上)を実施すること。
1 職務の理解 6時間【実習を行う場合 4時間】
(1) 到達目標・評価の基準
ねらい 研修に先立ち、これからの介護が目指すべき、その人の生活を支える「在宅におけるケア」等の実践について、介護職がどのような環境で、どのような形で、どのような仕事を行うのか、具体的なイメージを持って実感し、以降の研修に実践的に取り組めるようになる。
(2) 内 容
指導の視点 ・研修課程全体(130時間)の構成と各研修科目(10科目)相互の関連性の全体像をあらかじめイメージできるようにし、学習内容を体系的に整理して知識を効率・効果的に学習できるような素地の形成を促す。
・視聴覚教材等を工夫するなど、介護職が働く現場や仕事の内容を、できるかぎり具体的に理解させる。
内 容 1-1 多様なサービスの理解
 ○介護保険サービス(居宅、施設)
 ○介護保険外サービス
1-2 介護職の仕事内容や働く現場の理解
 ○居宅、施設の多様な働く現場における
 それぞれの仕事内容
 ○居宅、施設の実際のサービス現場における
 それぞれの仕事内容
  (視聴覚教材の活用、現場職員の体験談等)
 ○ケアプランの位置づけに始まるサービスの
  提供に至るまでの一連の業務の流れとチーム
  アプローチ・他職種、介護保険外サービスを
  含めた地域の社会資源との連携
展開例 視聴覚教材を活用するなど、介護職の仕事の内容や介護の現場を具体的に実感できるよう、留意する。
2 介護における尊厳の保持・自立支援 9時間
(1) 到達目標・評価の基準
ねらい 介護職が、利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し、自立支援、介護予防という介護・福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけない行動例を理解している。
修了時の評価ポイント ・介護の目標や展開について、尊厳の保持、QOL、ノーマライゼーション、自立支援の考え方を取り入れて概説できる。
・虐待の定義、身体拘束、及びサービス利用者の尊厳、プライバシーを傷つける介護についての基本的なポイントを列挙できる。
(2) 内 容
指導の視点 ・具体的な事例を複数示し、利用者及びその家族の要望にそのまま応えることと、自立支援・介護予防という考え方に基づいたケアを行うことの違い、自立という概念に対する気づきを促す。
・具体的な事例を複数示し、利用者の残存機能を効果的に活用しながら自立支援や重度化の防止・遅延化に資するケアへの理解を促す。
・利用者の尊厳を著しく傷つける言動とその理由について考えさせ、尊厳という概念に対する気づきを促す。
・虐待を受けている高齢者への対応方法についての指導を行い、高齢者虐待に対する理解を促す。
内 容 2-1 人権と尊厳を支える介護
 ①人権と尊厳の保持
  ○個人として尊重
  ○アドボカシー
  ○エンパワメントの視点
  ○「役割」の実感
  ○尊厳のある暮らし
  ○利用者のプライバシーの保護
 ②ICF
  ○介護分野におけるICF
 ③QOL
  ○QOLの考え方、生活の質
 ④ノーマライゼーション
  ○ノーマライゼーションの考え方
 ⑤虐待防止・身体拘束禁止
  ○身体拘束禁止
  ○高齢者虐待防止法
  ○高齢者の養護者支援
 ⑥個人の権利を守る制度の概要
  ○個人情報保護法
  ○成年後見制度
  ○日常生活自立支援事業
2-2 自立に向けた介護
 ①自立支援
  ○自立・自律支援
  ○残存能力の活用
  ○動機と欲求
  ○意欲を高める支援
  ○個別性/個別ケア
  ○重度化防止
 ②介護予防
  ○介護予防の考え方
展開例 視聴覚教材の活用やケーススタディで様々な事例を示し、具体的に実感できるよう、留意する。
3 介護の基本 6時間
(1) 到達目標・評価の基準
ねらい ・介護職に求められる専門性と職業倫理の必要性に気づき、職務におけるリスクとその対応策のうち重要なものを理解している。
・介護を必要としている人の個別性を理解し、その人の生活を支えるという視点から支援を捉える事ができる。
修了時の評価ポイント ・介護の目指す基本的なものは何かを概説でき、家族による介護と専門職による介護の違い、介護の専門性について列挙できる。
・介護職として共通の基本的な役割とサービスごとの特性、医療・看護との連携の必要性について列挙できる。
・介護職の職業倫理の重要性を理解し、介護職が利用者や家族等と関わる際の留意点について、ポイントを列挙できる。
・生活支援の場で出会う典型的な事故や感染、介護における主要なリスクを列挙できる。
・介護職におこりやすい健康障害や受けやすいストレス、またそれらに対する健康管理、ストレスマネジメントのあり方、留意点等を列挙できる。
(2) 内 容
指導の視点 ・可能な限り具体例を示す等の工夫を行い、介護職に求められる専門性に対する理解を促す。
・介護におけるリスクに気づき、緊急対応の重要性を理解するとともに、場合によってはそれに一人で対応しようとせず、サービス提供責任者や医療職と連携することが重要であると実感できるよう促す。
内 容 3-1 介護職の役割、専門性と多職種との連携
 ①介護現場の特徴の理解
  ○訪問介護と施設介護サービスの違い
  ○地域包括ケアの方向性
 ②介護の専門性
  ○重度化防止・遅延化の視点
  ○利用者主体の支援姿勢
  ○自立した支援を支えるための援助
  ○根拠のある介護
  ○チームケアの重要性
  ○事業所内のチーム
  ○多職種からなるチーム
 ③介護に関わる職種
  ○異なる専門性を持つ多職種の理解
  ○介護支援専門員
  ○サービス提供責任者
  ○看護師等とチームとなり利用者を支える意味
  ○互いの専門職能力を活用した効果的なサービスの提供
  ○チームケアにおける役割分担
3-2 介護職の職業倫理
 ○専門職の倫理の意義
 ○介護の倫理(介護福祉士の倫理と介護福祉士制度等)
 ○介護職としての社会的責任
 ○プライバシーの保護・尊重
3-3 介護における安全の確保とリスクマネジメント
 ①介護における安全の確保
  ○事故に結びつく要因を探り対応していく技術
  ○リスクとハザード
 ②事故予防、安全対策
  ○リスクマネジメント
  ○分析の手法と視点
  ○事故に至った経緯の報告
  (家族への報告、市町村への報告等)
  ○情報の共有
 ③感染対策
  ○感染の原因と経路(感染源の排除、感染経路の遮断)
  ○「感染」に対する正しい知識
3-4 介護職の安全
 介護職の心身の健康管理
  ○介護職の健康管理が介護の質に影響
  ○ストレスマネジメント
  ○腰痛の予防に関する知識
  ○手洗い・うがいの励行
  ○手洗いの基本
  ○感染症対策
展開例 ○具体的なサービス提供の過程や、家族による介護との比較等を行いながら、介護の専門性についての理解を促す。
○緊急時の対応など具体的な例を挙げ、多職種による連携のイメージづくりや、緊急時にも一人で対応する必要がないことを実感できるようにする。
4 介護・福祉サービスの理解と医療との連携 9時間
(1) 到達目標・評価の基準
ねらい 介護保険制度や障害者自立支援制度を担う一員として最低限知っておくべき制度の目的サービス利用の流れ、各専門職の役割・職務について、その概要のポイントを列挙できる。
修了時の評価ポイント ・生活全体の支援のなかで介護保険制度の位置づけを理解し、各サービスや地域支援の役割について列挙できる。
・介護保険制度や障害者自立支援制度の理念、介護保険制度の財源構成と保険料負担の大枠について列挙できる。
   例:税が財源の半分であること、利用者負担割合
・ケアマネジメントの意義について概説でき、代表的なサービスの種類と内容、利用の流れについて列挙できる。
・高齢障害者の生活を支えるための基本的な考え方を理解し、代表的な障害者福祉サービス、権利擁護や成年後見の制度の目的、内容について列挙できる。
・医行為の考え方、一定の要件のもとに介護福祉士等が行う医行為などについて列挙できる。
(2) 内 容
指導の視点 ・介護保険制度・障害者自立支援制度を担う一員として、介護保険制度の理念に対する理解を徹底する。
・利用者の生活を中心に考えるという視点を共有し、その生活を支援するための介護保険制度、障害者自立支援制度、その他制度のサービスの位置づけや、代表的なサービスの理解を促す。
内 容 4-1 介護保険制度
 ①介護保険制度創設の背景及び目的、動向
  ○ケアマネジメント
  ○予防重視型システムへの転換
  ○地域包括支援センターの設置
  ○地域包括ケアシステムの推進
 ②仕組みの基礎的理解
  ○保険制度としての基本的仕組み
  ○介護給付と種類
  ○予防給付
  ○要介護認定の基準
 ③制度を支える財源、組織・団体の機能と役割
  ○財政負担
  ○指定介護サービス事業者の指定
4-2 医療との連携とリハビリテーション
 ○医行為と介護
 ○訪問看護
 ○施設における看護と介護の役割・連携
4-3 障害者自立支援制度及びその他制度
 ①障害者福祉制度の理念
  ○障害の概念
  ○ICF(国際生活機能分類)
 ②障害者自立支援制度の仕組みの基礎的理解
  ○介護給付・訓練等給付の申請から支給決定まで
 ③個人の権利を守る制度の概要
  ○個人情報保護法
  ○成年後見制度
  ○日常生活自立支援事業
展開例 ○チームケアの一員として求められる役割等について、事業者での採用時研修の内容を理解できるよう、重要なキーワードは繰り返し確認する等、理解を促す。
○研修時間の都合で詳細な説明を省略するキーワードについては、サービスに従事し始めてから自己学習が必要であることを伝え、学習のための参考資料を例示することが望ましい。
5 介護におけるコミュニケーション技術 6時間
(1) 到達目標・評価の基準
ねらい 高齢者や障害者のコミュニケーション能力は一人ひとり異なることと、その違いを認識してコミュニケーションを取ることが専門職に求められていることを認識し、初任者として最低限の取るべき(取るべきでない)行動例を理解している。
修了時の評価ポイント ・共感、受容、傾聴的態度、気づきなど、基本的なコミュニケーション上のポイントについて列挙できる。
・家族が抱きやすい心理や葛藤の存在と介護における相談援助技術の重要性を理解し、介護職としてもつべき視点を列挙できる。
・言語、視覚、聴覚障害者とのコミュニケーション上の留意点を列挙できる。
・記録の機能と重要性に気づき、主要なポイントを列挙できる。
(2) 内 容
指導の視点 ・利用者の心理や利用者との人間関係を著しく傷つけるコミュニケーションとその理由について考えさせ、相手の心身機能に合わせた配慮が必要であることへの気付きを促す。
・チームケアにおける専門職間でのコミュニケーションの有効性、重要性を理解するとともに、記録等を作成する介護職一人ひとりの理解が必要であることへの気づきを促す。
内 容 5-1 介護におけるコミュニケーション
 ①介護におけるコミュニケーションの意義、目的、役割
  ○相手のコミュニケーション能力に対する理解や配慮
  ○傾聴
  ○共感の応答
 ②コミュニケーションの技法、道具を用いた言語的コミュニケーション
  ○言語的コミュニケーションの特徴
  ○非言語コミュニケーションの特徴
 ③利用者・家族とのコミュニケーションの実際
  ○利用者の思いを把握する
  ○意欲低下の要因を考える
  ○利用者の感情に共感する
  ○家族の心理的理解
  ○家族へのいたわりと励まし
  ○信頼関係の形成
  ○自分の価値観で家族の意向を判断し非難することがないようにする
  ○アセスメントの手法とニーズとデマンドの違い
 ④利用者の状況・状態に応じたコミュニケーション技術の実際
  ○視力、聴力の障害に応じたコミュニケーション技術
  ○失語症に応じたコミュニケーション技術
  ○構音障害に応じたコミュニケーション技術
  ○認知症に応じたコミュニケーション技術
5-2 介護におけるチームのコミュニケーション
 ①記録における情報の共有化
  ○介護における記録の意義・目的
  ○利用者の状態を踏まえた観察と記録
  ○介護に関する記録の種類
  ○個別援助計画書(訪問・通所・入所、福祉用具貸与等)
  ○ヒヤリハット報告書
  ○5W1H
 ②報告
  ○報告の留意点
  ○連絡の留意点
  ○相談の留意点
 ③コミュニケーションを促す環境
  ○会議
  ○連絡共有の場
  ○役割の認識の場(利用者と頻回に接触する介護者に求められる観察眼)
  ○ケアカンファレンスの重要
展開例 ○事例を示しながら、コミュニケーションが成立しにくい相手についても、ふさわしいコミュニケーション技術を選択することによりコミュニケーションが円滑になる可能性があることを認識できるよう工夫する。
○本科目の内容は、「認知症の理解」等の科目においても繰り返し触れ、演習等を通して理解を深めるよう促す。
6 老化の理解 6時間
(1) 到達目標・評価の基準
ねらい 加齢・老化に伴う心身の変化や疾病について、生理的な側面から理解することの重要性に気づき、自らが継続的に学習すべき事項を理解している。
修了時の評価ポイント ・加齢・老化に伴う生理的な変化や心身の変化・特徴、社会面、身体面、精神面、知的能力面などの変化に着目した心理的特徴について列挙できる。
  例:退職による社会的立場の喪失感、運動機能の低下による無力感や羞恥心、感覚機能の低下によるストレスや疎外感、知的機能の低下による意欲の低下等・高齢者に多い疾病の種類と、その症状や特徴及び治療・生活上の留意点、及び高齢者の疾病による症状や訴えについて列挙できる。
  例:脳梗塞の場合、突発的に症状が起こり、急速に意識障害、片麻痺、半側感覚障害等を生じる等。
(2) 内 容
指導の視点 高齢者に多い心身の変化、疾病の症状等について具体例を挙げ、その対応における留意点を説明し、介護において生理的側面の知識を身につけることの必要性への気づきを促す。
内 容 6-1 老化に伴うこころとからだの変化と日常
 ①老年期の発達と老化に伴う心身の変化の特徴
  ○防衛反応(反射)の変化
  ○喪失体験
 ②老化に伴う心身の機能の変化と日常生活への影響
  ○身体的機能の変化と日常生活への影響
  ○咀嚼機能の低下
  ○筋・骨・関節の変化
  ○体温維持機能の変化
  ○精神的機能の変化と日常生活への影響
6-2 高齢者と健康
 ①高齢者の疾病と生活上の留意点
  ○骨折
  ○筋力の低下と動き・姿勢の変化
  ○関節痛
 ②高齢者に多い病気とその日常生活上の留意点
  ○循環器障害(脳梗塞、脳出血、虚血性心疾患)
  ○循環器障害の危険因子と対策
  ○老年期うつ病症状(強い不安感、焦燥感を背景に、「訴え」の多さが全面に出る、うつ病性仮性認知症)
  ○誤嚥性肺炎
  ○病状の小さな変化に気付く視点
  ○高齢者は感染症にかかりやすい
展開例 ○視聴覚教材の活用等により、加齢や老化に伴う心身の変化や疾病の症状に対する気付きや理解を促す。(必要に応じて、「8 障害の理解」で取り扱う障害の概念やIC F 等の基本的な考え方を参照し、理解を深めるよう促す。)
○受講者が、研修終了後も学習を継続することを踏まえ、生理的な知識の体系を示したうえで、講義で詳しく扱ったものとそうでないものを図示する等の工夫により、修了者の継続的学習のきっかけを提供することが望ましい。
7 認知症の理解 6時間
(1) 到達目標・評価の基準
ねらい 介護において認知症を理解することの必要性に気づき、認知症の利用者を介護する時の判断の基準となる原則を理解している。
修了時の評価ポイント ・認知症ケアの理念や利用者中心というケアの考え方について概説できる。
・健康な高齢者の「物忘れ」と、認知症による記憶障害の違いについて列挙できる。
・認知症の中核症状と行動・心理症状(BPSD)等の基本的特性、およびそれに影響する要因を列挙できる。
・認知症の心理・行動のポイント、認知症の利用者への対応、コミュニケーションのとり方、及び介護の原則について列挙できる。また、同様に、若年性認知症の特徴についても列挙できる。
・認知症の利用者の健康管理の重要性と留意点、廃用症候群予防について概説できる。
・認知症の生活環境の意義やそのあり方について、主要なキーワードを列挙できる。
   例:生活習慣や生活様式の継続、なじみの人間関係やなじみの空間、プライバシーの確保と団らんの場の確保等、地域を含めて生活環境とすること。
・認知症の利用者とのコミュニケーション(言語、非言語)の原則、ポイントについて理解でき、具体的な関わり方(良い関わり方、悪い関わり方)を概説できる。
・家族の気持ちや、家族が受けやすいストレスについて列挙できる。
(2) 内 容
指導の視点 ・認知症の利用者の心理・行動の実際を示す等により、認知症の利用者の心理・行動を実感できるよう工夫し、介護において認知症を理解することの必要性への気づきを促す。
・複数の具体的なケースを示し、認知症の利用者の介護における原則についての理解を促す。
内 容 7-1 認知症を取り巻く状況
 認知症ケアの理念
  ○パーソンセンタードケア
  ○認知症ケアの視点(できることに着目する)
7-2 医学的側面から見た認知症の基礎と健康管理
 認知症の概念、認知症の原因疾患とその病態、原因疾患別ケアのポイント、健康管理
  ○認知症の定義
  ○もの忘れとの違い
  ○せん妄の症状
  ○健康管理(脱水・便秘・低栄養・低運動の防止、口腔ケア)
  ○治療
  ○薬物療法
  ○認知症に使用される薬
7-3 認知症に伴うこころとからだの変化と日常生活
 ①認知症の人の生活障害、心理・行動の特徴
  ○認知症の中核症状
  ○認知症の行動・心理症状(BPSD)
  ○不適切なケア
 ②認知症の利用者への対応
  ○本人の気持ちを推察する
  ○プライドを傷つけない
  ○相手の世界に合わせる
  ○失敗しないような状況をつくる
  ○すべての援助行為がコミュニケーションであると考えること
  ○身体を通したコミュニケーション
  ○相手の様子・表情・視線・姿勢などから気持ちを洞察する
  ○認知症の進行に合わせたケア
7-4 家族への支援
  ○認知症の受容過程での援助
  ○介護負担の軽減(レスパイトケア)
展開例 ○視聴覚教材を活用したりロールプレイを行うなど、認知症の方の心理や行動を実感できるよう工夫する。
○具体的なケースを材料に繰り返し学習することで、認知症の方の介護における原則について理解を促す。
8 障害の理解 3時間
(1) 到達目標・評価の基準
ねらい 障害の概念とICF、障害者福祉の基本的な考え方について理解し介護における基本的な考え方について理解している。
修了時の評価ポイント ・障害の概念とICFについて概説でき、各障害の内容・特徴及び障害に応じた社会支援の考え方について列挙できる。
・障害の受容のプロセスと基本的な介護の考え方について列挙できる。
(2) 内 容
指導の視点 ・介護において障害の概念とICFを理解しておくことの必要性の理解を促す。
・高齢者の介護との違いを念頭におきながら、それぞれの障害の特性と介護上の留意点に対する理解を促す。
内 容 8-1 障害の基礎的理解
 ①障害の概念とICF
  ○ICFの分類と医学的分類
  ○ICFの考え方
 ②障害者福祉の基本理念
  ○ノーマライゼーションの概念
8-2 障害の医学的側面、生活障害、心理・行動の特徴、かかわり支援等の基礎的知識
 ①身体障害
  ○視覚障害
  ○聴覚・平衡障害
  ○音声・言語・咀嚼障害
  ○肢体不自由
  ○内部障害
 ②知的障害
  ○知的障害
 ③精神障害(高次脳機能障害・発達障害を含む)
  ○統合失調症・気分(感情障害)・依存症などの精神疾患
  ○高次脳機能障害
  ○広汎性発達障害・学習障害・注意欠陥多動性障害などの発達障害
 ④その他の心身の機能障害
8-3 家族の心理、かかわり支援の理解
 家族への支援
  ○障害の理解・障害の受容支援
  ○介護負担の軽減
展開例 ○障害の概念とI CF 等の基本的な考え方を扱ったうえで、視聴覚教材の活用などにより、介護における基本的な考え方の気づきを促す。
 (加齢・老化に伴う心身の変化や障害については、「6 老化の理解」で取り扱う。)
○受講者が研修終了後も学習することを踏まえ、体系を示したうえで、研修で扱ったものとそうでないものを図示するなど工夫をして、終了後も学習を継続する契機を提供することが望ましい。
9 こころとからだのしくみと生活支援技術 75時間
【実習を行う場合、69時間】
(1) 到達目標・評価の基準
ねらい ・介護技術の根拠となる人体の構造や機能に関する知識を習得し、安全な介護サービスの提供方法等を理解し、基礎的な一部または全介助等の介護が実施できる。
・尊厳を保持し、その人の自立及び自律を尊重し、持てる力を発揮してもらいながらその人の在宅・地域等での生活を支える介護技術や知識を習得する。
修了時の評価ポイント ・主だった状態像の高齢者の生活の様子をイメージでき、要介護度等に応じた在宅・施設等それぞれの場面における高齢者の生活について列挙できる。
・要介護度や健康状態の変化に沿った基本的な介護技術の原則(方法、留意点、その根拠等)について概説でき、生活の中の介護予防、及び介護予防プログラムによる機能低下の予防の考え方や方法を列挙できる。
・利用者の身体の状況に合わせた介護、環境整備についてポイントを列挙できる。
・人の記憶の構造や意欲等を支援と結びつけて概説できる。
・人体の構造や機能が列挙でき、何故行動が起こるのかを概説できる。
・家事援助の機能と基本原則について列挙できる。
・装うことや整容の意義について解説でき、指示や根拠に基づいて部分的な介護を行うことができる。
・体位変換と移動・移乗の意味と関連する用具・機器やさまざまな車いす、机などの基本的使用方法を概説でき、体位変換と移動・移乗に関するからだのしくみが理解され、指示に基づいて介助を行うことができる。
・食事の意味と食事を取り巻く環境整備の方法が列挙でき、食事に関するからだのしくみが理解され、指示に基づいて介助を行うことができる。
・入浴や清潔の意味と入浴を取り巻く環境整備や入浴に関連した用具を列挙でき、入浴に関するからだのしくみが理解され、指示に基づいて介助を行うことができる。
・排泄の意味と排泄を取り巻く環境整備や関連した用具を列挙でき、排泄に関するからだのしくみが理解され、指示に基づいて介助を行うことができる。
・睡眠の意味と睡眠を取り巻く環境整備や関連した用具を列挙でき、睡眠に関するからだのしくみが理解され、指示に基づいて介助を行うことができる。
・ターミナルケアの考え方、対応のしかた・留意点、本人・家族への説明と了解、介護職の役割や他の職種との連携(ボランティアを含む)について、列挙できる。
(2) 内 容
指導の視点 ・介護実践に必要なこころとからだのしくみの基礎的な知識を介護の流れを示しながら、視聴覚教材や模型を使って理解させ、具体的な身体の各部の名称や機能等が列挙できるように促す。
・サービスの提供例の紹介等を活用し、利用者にとっての生活の充足を提供しかつ不満足を感じさせない技術が必要となることへの理解を促す。
・例えば「食事の介護技術」は「食事という生活の支援」と捉え、その生活を支える技術の根拠を身近に理解できるように促すばかりでなく、「利用者に満足してもらえる食事を提供したい」といった意欲を引き出す。他の生活場面でも同様とする。
・「死」に向かう生の充実と尊厳ある死について考えることができるように、身近な素材からの気づきを促す。
内 容 9-1 介護の基本的な考え方
  ○理論に基づく介護(ICFの視点に基づく生活支援、我流介護の排除)
  ○法的根拠に基づく介護
9-2 介護に関するこころのしくみの基本的理解
  ○学習と記憶の基礎知識
  ○感情と意欲の基礎知識
  ○自己概念と生きがい
  ○老化や障害を受け入れる適応行動とその阻害要因
  ○こころの持ち方が行動に与える影響
  ○からだの状態がこころに与える影響
9-3 介護に関するからだのしくみの基礎的理解
  ○人体の各部の名称と動きに関する基礎知識
  ○骨・関節・筋に関する基礎知識、ボディメカニクスの活用
  ○中枢神経系と体性神経に関する基礎知識
  ○自律神経と内部器官に関する基礎知識
  ○こころとからだを一体的に捉える
  ○利用者の様子の普段との違いに気づく視点
9-4 生活と家事
 家事と生活の理解、家事援助に関する基礎的知識と生活支援
  ○生活歴
  ○自立支援
  ○予防的な対応
  ○主体性・能動性を引き出す
  ○多様な生活習慣
  ○価値観
9-5 快適な居住環境整備と介護
 快適な居住環境に関する基礎知識、高齢者・障害者特有の居住環境整備と福祉用具に関する留意点と支援方法
  ○家庭内に多い事故
  ○バリアフリー
  ○住宅改修
  ○福祉用具貸与
9-6 整容に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護
 整容に関する基礎知識、整容の支援技術
  ○身体状況に合わせた衣服の選択、着脱
  ○身じたく
  ○整容行動
  ○洗面の意義・効果
9-7 移動・移乗に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護移動・移乗に関する基礎知識、さまざまな移動・移乗に関する用具とその活用方法、利用者・介助者にとって負担の少ない移動・移乗を阻害するこころとからだの要因の理解と支援方法、移動と社会参加の留意点と支援
  ○利用者と介護者の双方が安全で安楽な方法
  ○利用者の自然な動きの活用
  ○残存能力の活用・自立支援
  ○重心・重力の働きの理解
  ○ボディメカニクスの基本原理
  ○移乗介助の具体的方法(車いすへの移乗の具体的な方法、全面介助でのベッド・車いす間の移乗、全面介助での車いす・洋式トイレ間の移乗)
  ○移動介助(車いす・歩行器・つえ等)
  ○褥瘡予防
9-8 食事に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護
 食事に関連する基礎知識、食事環境の整備・食事に関連した用具・食器の活用方法と食事形態とからだのしくみ、楽しい食事を阻害するこころとからだの要因の理解と支援方法、食事と社会参加の留意点と支援
  ○食事をする意味
  ○食事のケアに対する介護者の意識
  ○住宅改修低栄養の弊害
  ○脱水の弊害
  ○食事と姿勢
  ○咀嚼・嚥下のメカニズム
  ○空腹感
  ○満腹感
  ○好み
  ○食事の環境整備(時間・場所等)
  ○食事に関した福祉用具の活用と介助方法
  ○口腔ケアの定義、誤嚥性肺炎の予防
9-9 入浴、清潔保持に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護
 入浴、清潔保持に関連した基礎知識、さまざまな入浴用具と整容用具の活用方法、楽しい入浴を阻害するこころとからだの要因の理解と支援方法
  ○羞恥心や遠慮への配慮
  ○体調の確認
  ○全身清拭(身体状況の確認、室内環境の調整、使用物品の準備と使用方法、全身の拭き方、身体の支え方)
  ○目・鼻腔・耳・爪の清潔方法
  ○陰部洗浄(臥床状態での方法)
  ○足浴・手浴・洗髪
9-10 排泄に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護
 排泄に関する基礎知識、さまざまな排泄環境整備と排泄用具の活用方法、爽快な排泄を阻害するこころとからだの要因の理解と支援方法
  ○排泄とは
  ○身体面(生理面)での意味
  ○心理面での意味
  ○社会的な意味
  ○プライド・羞恥心
  ○プライバシーの確保
  ○おむつは最後の手段/おむつ使用の弊害
  ○排泄障害が日常生活上に及ぼす影響
  ○排泄ケアを受けることで生じる心理的な負担・尊厳や生きる意欲との関連
  ○一部介助を要する利用者のトイレ介助の具体的方法
  ○便秘の予防(水分の摂取量保持、食事内容の工夫/繊維質の食物を多く取り入れる、腹部マッサージ)
9-11 睡眠に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護
 睡眠に関する基礎知識、さまざまな睡眠環境と用具の活用方法、快い睡眠を阻害するこころとからだの要因の理解と支援方法
  ○安眠のための介護の工夫
  ○環境の整備(温度や湿度、光、音、よく眠るための寝室)
  ○安楽な姿勢・褥創予防
9-12 死にゆく人に関連したこころとからだのしくみと終末期介護
 終末期に関する基礎知識とこころとからだのしくみ、生から死への過程、「死」に向き合うこころの理解、苦痛の少ない死への支援
  ○終末期ケアとは
  ○高齢者の死に至る過程(高齢者の自然死(老衰)、癌死)
  ○臨終が近づいたときの兆候と介護
  ○介護従事者の基本的態度
  ○多職種間の情報共有の必要性
9-13 介護過程の基礎的理解
  ○介護過程の目的・意義・展開
  ○介護過程とチームアプローチ
9-14 総合生活支援技術演習
 (事例による展開)
 生活の各場面での介護について、ある状態像の利用者を想定し、一連の生活支援を提供する流れの理解と技術の習得、利用者の心身の状況にあわせた介護を提供する視点の習得を目指す。
  ○事例の提示→こころとからだの力が発揮できない要因の分析→適切な支援技術の検討→支援技術演習→支援技術の課題
 (1事例1.5時間程度で上のサイクルを実施する)
  ○事例は高齢(要支援2程度、認知症、片麻痺、座位保持不可)から2事例を選択して実施
  ○多職種間の情報共有の必要性
※本欄の9-6~11 においても、「9-1 4 総合生活支援技術演習」で選択する高齢の2事例と同じ事例を共通して用い、その支援技術を適用する考え方の理解と技術の習得を促すことが望ましい。
※本欄の9-6~11 における各技術の演習及び「9-14 総合生活支援技術演習」においては、一連の演習を通して受講者の技術度合いの評価(介護技術を適用する各手順のチェックリスト形式による確認等)を行うことが望ましい。
10 振り返り 4時間【実習を行う場合、12時間】
(1) 到達目標・評価の基準
ねらい ・研修全体を振り返り、本研修を通じて学んだことについて再確認を行うとともに、終業後も継続して学習・研さんする姿勢の形成、学習課題の認識を図る。
(2) 内 容
指導の視点 ・在宅、施設のいずれの場合であっても、「利用者の生活の拠点に共に居る」という意識を持って、その状態における模擬演習(身だしなみ、言葉遣い、応対の態度等の礼節を含む。)を行い、業務における基本的態度の視点を持って介護を行えるよう理解を促す。
・研修を通じて学んだこと、今後継続して学ぶべきことを演習等で受講者自身に表出・言語化させた上で、利用者の生活を支援する根拠に基づく介護の要点について講義等により再確認を促す。
・修了後も継続的に学習することを前提に、介護職が身に付けるべき知識や技術の体系を再掲するなどして、受講者一人ひとりが今後何を継続的に学習すべきか理解できるよう促す。
・最新知識の付与と、次のステップ(職場環境への早期適応等)へ向けての課題を受講者が認識できるよう促す。
・介護職の仕事内容や働く現場、事業所等における研修の実例等について、具体的なイメージを持たせるような教材の工夫、活用が望ましい。
・(視聴覚教材、現場職員の体験談、サービス事業所における受講者の選択による実習・見学等)
・介護サービス施設・事業所における各職種の業務内容、連携等を見ることにより、介護職員の役割・姿勢・業務の理解を促す。
・介護過程を踏まえた基礎的な介護業務を体験することで、介護の目的・機能、利用者や家族とのかかわり方、コミュニケーションのあり方について体験的な理解を促す。
・在宅や施設等における利用者の生活を知ることで、利用者・家族についての理解を促す。
内 容 10-1 振り返り
  ○研修を通して学んだこと
  ○法的根拠に基づく介護今後継続して学ぶべきこと
  ○根拠に基づく介護についての要点(利用者の状態像に応じた介護と介護過程、身体・心理・社会面を総合的に理解するための知識の重要性、チームアプローチの重要性等)
10-2 就業への備えと研修修了後における継続的な研修
  ○継続的に学ぶべきこと
  ○研修修了後における継続的な研修について、具体的にイメージできるような事業所等における実例(Off-JT、OJT)を紹介
(3) 実習を行う場合の実習機関の要件
 研修の実施者は、実習を行う場合、実習機関との連携を密にし、下記の条件を満たす実習実施計画を定めること。
 ・実習機関が定める受入人数を超えないこと。受講者に対し実習
 ・見学に必要なオリエンテーションを行い、実習機関
 実習機関は下記のとおりとする。
施設等における介護実習・見学 特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、特定施設入居者生活介護の指定を受けた有料老人ホーム、軽費老人ホーム、入所支援を行う障害者(児)施設
※高齢者施設・事業所での実習を原則とする。
※開所後1年以上経過していることを要する。
訪問介護通所介護等見学 訪問介護事業所、通所介護事業所、通所リハビリテーション事業所、訪問看護ステーション、小規模多機能型居宅介護事業所、障害者自立支援法に基づき在宅又は通所のサービスを提供する事業所
※介護保険事業所での実習を原則とする。
※開所後1年以上経過していることを要する。
(4) 実習を行う場合の内容(例)
内 容 ・施設の概要や特徴、取り組み、利用者、一日のプログラム、職員体制について説明する。
・各職種から、それぞれの業務内容、チームケアの取り組みや連携について説明する。
・居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、医療機関等、地域の関係機関との連携について説明する。
・申し送りの場面を見学させる。
・カンファレンスを見学させる。
・介護記録やケアプランを閲覧させる。
・訪問記録、訪問介護計画等を確認・閲覧させる。
・基本的な介護技術について、介護方法や内容、利用者との接し方等を見学させる。
・主な医療器具や福祉用具の使用場面を見学させる。
・自立のための福祉用具の使用方法、取り扱いについて説明する。
・居室の環境、バリアフリーなどを見学させる。
・環境整備の方法について説明する。
・主な福祉用具(車イス、自助具等)を利用している利用者の介護を経験させる。
・できるだけ多くの利用者に自ら話しかけ、コミュニケーションの機会を持たせる。
・補助的業務(食事、入浴、排泄関連業務、環境整備等)を経験させる。
・レクリエーション、グループ活動、行事、作業療法、外出等に、利用者とともに参加させる。
・サービス提供責任者や担当ヘルパーに同行し、介護や利用者の生活環境に応じた家事援助の内容、工夫、利用者との接し方等を見学させる。