基礎美術 理論と実践
ボウリング・グリーン州立大学 美術学科
第7章 色彩
色彩バランス
良い色の組み合わせにはすべて、ある種の関係と対照がある。色が濃淡
関係にある場合は、明暗(あるいは)強度で対照を示す。基本的問題は、組
織形成の全方面にみられる問題、即ち、統一性の中の多様性である。色調
の間になんらかの関係があるべきだが、この関係は、多様性によって生きた
興味深い関係にならなくてはならない。
統一とバランスを造り出す単純な方法は、作品の異なった箇所に同様な色
合いを繰り返すことだ。 色彩バランスで重要な一面が、 補色の色調に対する
人間の認識に基づいている。強度の赤のある一点をしばらくの間じっと見つめ
てから目を白の部分に移すと、その一点の残像が、その補色である青緑色で
残る。この現象は、補色の対が使用されている所ではどこでも見られる。 この
心理現象が、 多色彩構造で主要色調のバランスをとるために補色の色合い
を使う時の基本となる。
図説明
7−21
石郷岡敬佳、”ルパ城の春”(硫黄花の白熱の幻想) 油絵. 16.1×130.3cm
緑と黄色の大きな部分が、補色を二重に使用して主調となっている。各々の補
色、赤と紫のより小さな部分が全体の色調バランスを取っている。
コレクション、ピエール・ゴーヒル・コーポレーション
アメリカの美術教科書に掲載された作品 |
この作品は、アメリカ・ボウリング・グリーン大学美術学科の教科書に掲載された。
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