神田　まつや

　明治17年創業。関東大震災直後に建てられた木造の店舗は、昔のそば店の風情をそのまよに残している。入□に掲げた大きな提灯に手打ちと書いてある通り、完全な手打ちを貫くが、「手打ちがうまいと思うから」と気負うところなど微塵もない。神田須田町のオフィス街にあり、昼どきはもちろん、夕刻から店じまいの夜8時まて　焼鳥や焼き海苔、わさぴかまぼこなどの酒肴で酒を飲み、そばで仕上げるといった、中高年のサラリーマンを中心に、一日中振わっている。おつりのお札をすべてピン札で渡すところにまで、老舗ならではの心遣いがある。